丹参の力を考える その2
2024年05月21日
改めて丹参の力を考える。(丹参の丹は丹頂鶴の丹、すなわち赤い人参という意味がある。)
中国では心臓病などについて冠心二号方なる方剤があります。これの主薬は丹参です。
日本でも手に入ります。しかし、余り知られていないようだ。
この丹参というのは生薬の中でも血液中の酸素を運ぶ作用がかなり強いようで
心筋のみならず脳やその他の各組織への酸素供給能力を期待している。
これは、化学薬品では全く期待できないすばらしい作用である。
この丹参の効能を研究された横澤隆子先生の著書(血管力をつければ病気は治る)リヨン社刊より
この書籍発刊当時は富山医科薬科大学和漢薬研究所助教授
実際にこの丹参を飲まれている人のその後の変化を紹介します。
実例として私の妻の不整脈とお客さんの実例を考えてみる。
*実例①(62歳)
妻はかなり以前から心臓の動悸を訴えるようになってきたのでそれに対応する漢方薬を飲んでもらっていた。
しかし、無理をすると動悸がひどくなってきたということでしばらく横になって体を休めることが多々あった。
2022年には心臓内科を受診して血管造影なんかをやってみたが特に異常はなかった、しかし、
動悸は収まらずよく横になって体を休めることは続いた。
丹参の存在は以前から知っていたが、実際にその実力を感じたのは妻にそれを飲まし始めてからであった。
一年ほど前から不整脈の漢方薬に丹参の末を混ぜて飲んでもらうことにした。
最近になって、しんどいから少し横になって体を休めることを訴えなくなっているのに気付いた。
現在元気に勤めに行ってる。
*実例②
女性のお客様(55歳)
この女性の方は、不整脈と狭心症を訴えて来店されました。
もちろん病院にかかってそれらの新薬を飲まれていたのですが、だんだんと効きが悪くなって
不整脈も落ち着かなくなってきていた。
脳動脈血や心臓動脈血を動かす漢方薬に丹参を加味した薬方を飲んで頂いてます。
飲まれて三か月が過ぎたころですが、胸の何とも言えない苦しさも無くなり、動悸も感じなくなって
きているとのことで引き続き飲まれています。
*実例③
心カテ手術をした男性(72歳)
2022年10月に冠状動脈が90%詰まっていることが血管造影でわかりすぐ手術をした。
本人は普段特に心臓が痛むとか胸が苦しいとかというような症状はなく元気に毎日を活動していた、
妻の心臓検査に同行してついでに血管造影をしたところ冠状動脈の一部が白く映っていて
この詰まり方だと90%詰まっているとのことなのですぐ心カテの手術をすることになった。
手術は無事に終わったんだが、血栓が出来やすいということでバイアスピリンが処方された。
しかし、その新薬は飲まずに漢方薬を選択した、
動脈血を流す薬を中心にそれに丹参と田七人参を加えて飲むことにした。
一か月後の受診では血栓はできてなかったけどもやはりバイアスピリンが処方されたので
それを断って漢方薬を飲み続けた。
その後は、約一年ほど受診せず一年後の2023年11月に受診した。レントゲン撮影では
血栓は出来ておらず、綺麗な写真だったので医者も驚いていた。
そして現在飲んでいる漢方薬名を伝えた。その後は何か異常があったら来てということで
それらの漢方薬は毎日欠かさずに飲んでいる。
改めて丹参の薬効のすごさを考える②
2024年05月05日
最近のニュースで元プロ野球選手だった人が糖尿病が原因で右手を切断ということが報道されていた。過去にはプロレスラーの人も足を切断したということが報道された。彼らは少しは世の中に名を知られた
人なので報道されるのだろうが、一般の人でも多くの人が糖尿病が元で手足の切断をしなければならない
人はたくさんいる。
以前広島県で足を切断した人達が集団で生活している施設が紹介されていた。
さらには、人工透析になってしまう人も最近では多くなっている。
私自身過去にある糖尿病の研究会に参加したときの話だったんですが、
病院で血糖降下薬やインスリン注射などの治療をずっと
やっていても、またカロリー計算に基づく食事療法をやっていても
そのうちの70%の患者は人工透析になってしまうと説明があった。
なぜなんだろうと大いに疑問を持った。
その頃は私も勉強不足でその理由がよくわからないままであったけれども、
最近になってその理由がわかってきた。
よくネットニュースでは血糖値は簡単に下がるなんて言ってるけど、確かにそれはいろいろ工夫で
下がることは事実なんだけど、問題はそれだけではない。
先ず、血管を綺麗にするのと血液をサラサラにして、且つ組織に酸素を運ばなくてはならない。
これが非常に重要で、ただ、血糖降下剤やインスリン注射なんかではとてもそれを期待できない。
血糖値を下げて血管をきれいにして組織に酸素を送れば手足を切断したり、人工透析に入ったり
網膜症もかなり防ぐことができるのではないかと考えている。
しかしながら新薬ではそれは期待できない。
その作用を持ち合わせているのが生薬であって、それに勝るものはない。
本来生薬自体少なからず血管を綺麗にするのと酸素を運ぶ作用があるといわれている。
さらに強力なのは、この前から紹介している丹参と田七人参である。
丹参は酸素を運ぶ作用と血管を強くする作用に優れており、田七人参は血液サラサラに優れている。
そして、丹参にはそれだけではないいろいろな作用がある。
研究書に書かれている丹参の作用を列記してみよう。
①活血化瘀作用(血液の汚れを取り去り血流を良くする)
②血管拡張作用
③血圧降下作用
④抗血栓作用
⑤活性酸素その中でもヒドロキシラジカルという活性酸素の類は、普通よく言われている
SODなんかでは除去できない最も強力なフリーラジカルを除去する
(ヒドロキシラジカルはDNAを損傷させて癌化させるといわれている)
⑥細胞組織へ酸素を運ぶ作用に優れている 。 などの薬理活性が期待できる。
痛みを考える
2023年11月26日
心の痛みと体の痛みを克服する、すなわち人生そのものだな そういっても過言ではないだろう。それぞれの痛みを持っている人、その両方の痛みを持っている人、人それぞれだが、
自分では解決できないほどの痛みを抱えている人も多いのも事実なんだ。
病院を退職して漢方薬を選んだのにも理由がある、漢方薬局を始めていろいろな病状の人々と接してきて、
心の痛みと体の痛みほどつらいものはないと私自身も含めてそのように感じた。
この痛みというのは人にはわからないし数値にも出ない、
しかし、他のいろいろな病気で悩まれている人もなんと多いことか、つくづく病気の辛さを実感した。
いろいろ研究してきたが、漢方には新薬のように痛み止めというようなものはない。
しかし、それなりに使うものはたくさんある。その組み合わせの妙味なんだと思う。
「気通じざればすなわち痛む」という言葉がある。二千数百年前の黄帝内経に書かれている言葉なんだ。
今やっとその意味が読めてきた。
人の体には三つの大きな要素がある。気血水の三要素である。
三つの言葉に分けているが決して独立したものではない。微妙に絡み合って体の基礎をなす。
人の体はこれのバランスにあるといっても過言ではない。それらの微妙なバランスが破れて、
人が不調を訴えるに陥った場合に痛みとしてあらわれてくる。
心の痛みになって我慢できなくなってくると安定剤に頼ろうとする、
体に痛みが来ると鎮痛剤に頼る、
実際安定剤も鎮痛剤もよく効く、しかし、どちらも根本的な解決方法ではない。化学薬品特有の
副作用が出てくる。
これらの副作用でその結果どのようになっていくか、いやと言うほどその結末を見てきた。
これでは幸せにはなれないな、ただ、薬の力を利用して逃れているだけだな。
痛みは信号なんだ、心の痛みや体の痛みは、どこかの不調を訴えている。
この痛みに耳を傾けるようにせねばならない。
そして、その原因がどこから来ているのか突き止めなければならない、
自身だけのものなのか、人からのものなのか、最近は複合的に沢山の事象が絡み合って
いるので、一人で解決しようとしてもなかなか難しいことが多い、
そこで薬に頼ろうとするのだが、やはり、根本的に良くなっていくためにはじっくりと
構えて治していかねばならない。それを化学薬品で早急にしようとするとどうしても
歪みが出てきてしまう。
私は、化学薬品を否定はしない、早急に取り除かねばならない状態の時も多分にあるので
それはそれで必要である。しかし、早急が去った後はじっくりと治していかねばならない。
その使い分けが大事である。
化学薬品をずっと飲んで痛みを抑えてきても根本的な解決にはなっていない。
何かの時に再び出てくる。
根本的な解決にはやはり、自然生薬が必要だと思う。長年の経験で確信した。
痛みの信号がなくなってこそはじめて病が治っていく。病気とはそのようなものなんだな。
私も若い頃は無理をしてきたので体の痛みに悩み、齢がいくと体の痛みと心の悩みがやってきた。
人生ってこんなものなんだろう。しかし、これに打ち勝っていかねばならないな。
「気通じざればすなわち痛む」故人は素晴らしいことを言っていたな。
いろいろな病気がある中でも、私も悩んでいる「心の痛み」と「体の痛み」、
それと「咳の辛さ」についてさらに研究を進めていこう。
[心の痛み、体の痛み」と「咳の辛さ]に悩まれている人が少しでも良くなられて、
そして、楽になられて幸せな人生を歩まれますように頑張りたいと思っています。